梅毒について
SYPHILIS
梅毒について
梅毒ってこんな病気
  • POINT 1
    近年、感染者数が急上昇していて、主に、男性では20~50代、女性では20代で感染者が増加しています。
  • POINT 2
    潜伏期間は約1~13週間で、症状が出ても一時的に消えたり、無症状の場合もあります。
  • POINT 3
    主に性行為によって感染が広がりますが、母子感染することもあります
  • POINT 4
    妊婦が感染すると流産や死産のリスクが高まり、生まれた子供に様々な障害が表れます。
梅毒ってこんな病気
梅毒は梅毒トレポネーマという細菌によって引き起こされる性感染症で、日本では2021年以降、感染者数が大きく増加しています
主に性行為を通じて、口や性器などの粘膜や皮膚が梅毒の病変部位と接触することで感染します。梅毒は感染力が非常に強く、1回の性行為で感染する確率は約30%です。コンドームを使用しても感染を完全に防ぐことはできません。潜伏期間は約1~13週間で、感染初期では陰部や口唇部にしこりや腫瘍が生じます。次第に、全身のリンパ節が腫れたり、「バラしん」と呼ばれる赤色の発疹が手足や身体に表れることがあります。発熱や倦怠感、関節痛などの症状が出ることもあります。梅毒の治療には抗生物質を用います。治療を怠っても、一時的に症状が消えることがありますが、放置すると確実に症状が進行してしまい、全身の臓器や神経を侵されて死に至ることもあります。妊婦が感染してしまうと、母子感染することがあり(先天性梅毒)、流産や死産のリスクも高まります

こんな時は、
ぜひ検査してください

1パートナーが梅毒陽性だった。または避妊具を使わない性行為や、避妊具に損傷があったとき

梅毒は非常に感染力が高い感染症です。陽性者のパートナーと性行為をした場合、1回の性行為で梅毒に感染する確率は約30%程度といわれています。

2梅毒の症状が疑われるとき

以下のような症状がある場合は梅毒の可能性があります。
  • 陰部、口唇部、口腔内などにしこりや腫瘍が生じる
  • リンパ節の腫れ
  • 発熱、倦怠感、関節痛など
  • 赤い発疹が見られる、または一時的に見られたが現在は消失した

3妊娠を望むときに

妊娠中の梅毒感染は危険です。流産や死産のリスクが高まり、胎盤を通して胎児に梅毒が感染することがあります。先天性梅毒は子供の発育不全や難聴を招くことがあります。
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梅毒検査について
けんさの窓口の梅毒検査は、生化学自動分析装置を用いたRPR法およびTP抗体法を実施しています。梅毒に対応する抗体が血液中に存在しているかを検査します。自覚症状の乏しい感染時期でも検査することができます。
検査内容
梅毒特有の抗原に対応する抗体が
存在しているかどうかを調べます。
検査するタイミング

検査するタイミング

感染の機会の1か月後から検査できます。
検査する検体

検査する検体

血液
検査結果の解釈

検査結果の解釈

  • RPR法 陽性
    TP抗体法 陽性
    現在感染している可能性が
    非常に高いと考えられます。
  • RPR法 陰性
    TP抗体法 陰性
    現在感染している可能性が
    低いと考えられます。
  • RPR法 陽性
    TP抗体法 陰性
    偽陽性または感染初期の可能性が
    考えられます。
  • RPR法 陰性
    TP抗体法 陽性
    過去に感染歴があると考えられます。

※本サービスは、登録衛生検査所による受託検査サービスです。検査結果報告書は医師の診断書ではありません。
※本サービスによる検査結果は測定値であり、診断結果ではありません。

梅毒の予防法
梅毒は性感染症の一つであり、性行為によって感染するリスクがあります。きちんと治療を受ければ再発は防げますが、再感染のリスクは残ります。このため、梅毒の予防には以下のポイントが重要です。

1避妊具の使用

性行為の際には、コンドームを正しく使用することが重要です。これにより、梅毒を含む多くの性感染症の感染リスクを下げることができます。通常の性行為の他に、オーラルセックスなどの際にもコンドームを使用してください。

2不特定多数との性行為をしない

不特定多数との性行為は、感染リスクを上げるとともに、感染が見つかった場合にどこまで感染が広がっているのか把握することを難しくします。

3体調不良時の性行為を避ける

微熱や身体の発疹などの症状がある場合は、性行為を避けることが重要です。

4定期的な検査

自分自身やパートナーが梅毒に感染していないか定期的に検査を受けることが重要です。特に新しいパートナーとの性行為を始める前には、お互いに検査を受け、感染していないことを確認することをおすすめいたします。

5自分とパートナーの治療

梅毒に感染した場合は、医師の指示に従って治療を完了してください。また、パートナーにも検査と治療を受けるように勧め、両方が治療を受けることで「ピンポン感染」を防ぐことができます。
よくあるご質問
よくあるご質問
感染が心配な性行為から、何日以降で検査できますか?
けんさの窓口では、感染の機会から1か月以上経過したら検査可能です。1か月経過前に検査を受けた場合、正しい結果が出ない場合があります。
検査結果が陽性でしたが、ほとんど症状が出ていません。このまま自然に治りますか?
一般的に梅毒は自然治癒しないため、必ず医療機関での治療が必要です。治療を受けずに放置していると、症状が進行してしまい、多くの臓器に腫瘍が発生したり、脳や神経が麻痺し、最悪の場合は死に至ることがあります。
どのくらいの確率で梅毒に感染しますか?
梅毒に感染しているパートナーと性行為を行った場合、およそ30%の確率で感染すると言われています。
過去に梅毒になり、治癒しました。今後は感染しませんか?
梅毒は一度完治しても、再感染する可能性があります。このため、自分とパートナーのどちらかの感染が発覚した場合、もう一方も検査を行い、必要に応じて治療を受けることが重要です。どちらか一方だけしか治療しなかった場合、いつまでもお互いに感染させあってしまう、ピンポン感染と言われる状態になる場合があります。
検査結果が陽性(+)でした。どうしたらいいですか?
お近くの医療機関を受診することをお勧めいたします。一般的に性感染症の治療を行っているのは、性感染症内科、泌尿器科、婦人科などになります。どこの病院に行けばいいかわからない場合、けんさの窓口についてくる、東京海上日動のメディカルアシストをご活用ください。24時間お電話で受けられる医療相談サービスです。提携ドクターによる検査結果の相談、お近くの病院のご紹介などを受けることができます。
参考文献
標準微生物学 第13版 中込 治 監修 医学書院
臨床検査法提要 改訂第34版 金井 正光 監修 金原出版株式会社
梅毒とは 国立感染症研究所外部リンク