前立腺は男性のみにある臓器で、尿道の周りを取り囲み、精液に含まれる前立腺液を作っています。

前立腺がんは主に欧米人に多いがんでしたが、日本ではここ30年間で前立腺がんの罹患数は16倍に増加しています。2021年には男性がかかるがんの中で部位別で1位になっています。

年齢別で見ると50歳以降から罹患率が急激に高まり、70歳代で最も高くなります。ここまで前立腺がんが増えている原因として、高齢化、食生活の欧米化、診断技術の進歩が考えられます。特に前立腺由来のタンパク質である、前立腺特異抗原（PSA）検査が広まったことで、これまで見つけられなかったごく初期の前立腺がんも見つかるようになったことは大きいといえます。

前立腺がんは他のがんに比べると進行が遅く予後が良いがんといわれています。しかしながら、がんであることにはかわりはなく、他の部位へ転移することもあり、早期に発見して適切に治療を受けることが重要です。

早期の前立腺がんは自覚症状がありませんが、尿が出にくい、排尿の回数が多いなどの症状が出ることがあります。