胃がんについて
STOMACHCANCER
胃がんについて
胃がんってこんな病気
  • POINT 1
    主な原因の一つはヘリコバクターピロリという細菌の感染です。
  • POINT 2
    他の原因としては
    ①食事習慣
    ②喫煙
    ③家族歴・遺伝的要因

    が挙げられます。
  • POINT 3
    初期段階で症状がほとんど現れず、早期発見が難しい病気です。
以前は日本のがん患者は胃がんが圧倒的に多く、死亡率は胃がんが第1位でした。近年、食生活の変化や医療技術の進歩により死亡率は減少し、現在は肺がんと入れ替わって第2位となっています。しかし、罹患数では依然として胃がんが第1位であり、高齢者の胃がん患者が急増しているのが現状です。

胃がんは、胃内部の粘膜細胞が何らかの原因でがん細胞に変異し、無秩序に増殖することで発症します。がんのサイズが大きくなるにつれ、粘膜層の内側から徐々に深部の層である粘膜下層、固有筋層、漿膜に広がっていきます。
病気の説明
がんがさらに進行すると、漿膜を超えて、近くにある臓器(大腸、膵臓、横隔膜、肝臓など)にも広がり、周囲に浸潤していきます。がんが漿膜の外側に広がると、腹膜播種と呼ばれる状態が生じ、がん細胞が腹腔内に広がることがあります。さらに、がん細胞がリンパ液や血液を介して他の部位に転移し、胃から離れた場所で新たながん腫が形成される転移も発生することがあります。

特に、スキルス胃がんとして知られる一部の胃がんは、胃壁を厚く硬くし、速やかに浸潤し、内視鏡検査では診断が難しいことがあります。これらのがんは通常進行が速く、腹膜播種のリスクが高い特性を持ち、早期発見が難しい場合があり、治療が困難なことがあります。

こんな時は、
ぜひ検査してください

1家族にピロリ菌の感染者がいる

2胃の痛みがある

3胃の不快感・違和感がある

4胸やけ・吐き気がある

5食欲不振

胃がんは、初期段階ではほとんど自覚症状がなく、進行しても症状が現れないことがあります。上記の症状以外にもがんによる出血によって貧血や黒い便(血便)が生じることもありますが、これらの症状は胃炎や胃潰瘍でも見られます。そのため、胃炎や胃潰瘍の内視鏡検査を受けた際に、偶然がんが発見されることもあります。また、食事が喉に詰まる、体重が減少するなどの症状がある場合、進行した胃がんの可能性も考えられます。がんは早期発見が重要です。これらの症状がある場合、健診を待たずに自己検査を受ける事をお勧めします。
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胃がん検査について
消化性潰瘍や胃がんの多くは、ヘリコバクター・ピロリという細菌の感染が原因とされています。この細菌に感染しても必ずしも発症するわけではありませんが、感染したほとんどの人が胃炎を起こすと考えられています。また、これを放置すると、胃が長期間にわたって炎症を起こし、ストレスや塩分の多い食事、発がん物質などにより、がん発生リスクが高くなると言われています。

ピロリ菌に感染すると体内で免疫抗体が作られます。この抗体は尿中に排出されるため、尿検査でピロリ菌感染の痕跡を見つけることができます。また、ピロリ菌は胃に住むため、便に混ざって排出されます。便に排出される抗原を検査することで現在感染しているかどうかも調べる事ができます。弊社では尿と便、どちらも検査することで検出能力を上げています。
検査内容
ヘリコバクター・ピロリ菌の抗原と抗体の有無を調べます。
検査するタイミング

検査するタイミング

症状の出現、リスク要因や年齢等、気になると感じたらすぐに検査ができます。
検査する検体

検査する検体

尿・便
胃がんの予防法
日本人を対象にした研究によると、胃がんの予防に効果的な方法は、喫煙を避けること、塩分・アルコールの摂取を控えめにし、バランスの取れた食事を取ること。運動すること、適切な体型を維持すること、ピロリ菌の感染予防を行うこととされています。

1喫煙

喫煙をしない。他人のタバコの煙を避ける。

2アルコール摂取

節度のある飲酒をする。
例)日本酒なら1合、ビールなら大瓶1本、焼酎や泡盛なら1合の2/3、ウイスキーやブランデーならダブル1杯、ワインならグラス2杯程度とされています。

3食生活

塩分の過剰摂取に気を付け、バランスの良い食事を取る。飲食物を熱い状態で取らないように気を付ける。

4体型維持

適度な運動を心掛け、適性なBMI値の範囲内になるように体重を管理する。
中高年男性BMI値:21~27
中高年女性BMI値:21~25

※BMI値 = 体重(kg)÷{身長(m)×身長(m) }

5ヘリコバクター・ピロリ菌感染予防

ピロリ菌感染の有無を確認し、感染の疑いがあれば適切な措置を検討する。
よくあるご質問
よくあるご質問
ピロリ菌とはどのような菌ですか?
正式名称はヘリコバクター・ピロリといいます。胃の中で生息しており、非常に強い胃酸の環境でも生存できる性質を持っています。多くの研究により、ヘリコバクター・ピロリが慢性胃炎や胃・十二指腸潰瘍、そして胃がんなどの原因となることが確認されています。
ピロリ菌はどのように感染するのですか?
ピロリ菌の感染経路は主に口から感染し、特に乳幼児期に感染しやすいとされています。以前は井戸水からの感染が一般的でしたが、現代では衛生環境の改善により井戸水からの感染はほとんど見られません。代わりに、家族内感染が主要な感染経路であり、親から子への感染がよく起こります。
ピロリ菌はキスをしてうつりますか?
成人してからであれば、ピロリ菌はキスでは感染しないとされています。ただし、親から子への口移しでは移る可能性があるため注意が必要です。
ピロリ菌は遺伝しますか?
ピロリ菌は感染症で遺伝疾患ではないので親から子へ遺伝はしません。
ピロリ菌の検査はこどもでもできますか?
こどももピロリ菌検査をすることができます。
ピロリ菌がいるかどうかどのように検査するのですか?
弊社で行っている検査はピロリ抗体と抗原の両方を測定する検出能力の高い検査です。

ピロリ菌が体内に存在すると、体はピロリ菌に対抗するための抗体を生成し、一部は尿に排出されます。ピロリ抗体検査は尿中に抗体が存在するかどうかを調べ、感染歴を調べる検査です。ただし、ピロリ菌の除去治療を受けた後も抗体が検出されることがあります。また、抗体検査はこどもや免疫機能が低下した高齢者ではしばしば偽陰性となることもあると言われています。

ピロリ菌は主に胃と十二指腸に感染するため、その一部は便中に排泄されます。ピロリ抗原検査は、便中にピロリ菌(抗原)が存在するかどうかを調べ、現在の感染状態を確認する精度の高い検査です。この抗原検査は抗体法のように年齢による影響がなく、小児の検査に有用であると言われています。
ピロリ菌を除菌せずにいるとどうなりますか?
ピロリ菌感染があるからといって、必ずしも潰瘍や胃がんが発症するわけではありません。ただし、感染した多くの人が胃炎を発症します。ピロリ菌を除菌しない限り、この細菌は胃内に留まり、慢性的な炎症が続くことになり、胃の粘膜を守る能力が低下し、ストレスや高塩分の食事、発がん性物質などからの攻撃に対して無防備な状態になります。